神鍋山(スズサイコ) 2007年 7月 8日


 
 本日も先週に引続き夕刻から雨の天気予報なので、もし雨が降っても快適に歩け、土砂降りになったら但馬高原植物園に逃げ込める、神鍋山に行くことにしました。400m+αと海抜は低い神鍋山ですが植物層は豊富で、またこの時期には来たことがないため何があるか楽しみです。道の駅を越え、登山口に駐車しましたが、本日は地元雄志の草刈の日の様で、林道両側はきれいに刈込んでありました。
 この林道から山頂にかけて四国八十八カ所の石仏があります。

登山口(駐車地点より)

途中の石仏(四国八八カ所)
 林道沿いには、アラゲハンゴンソウウツボグサオカトラノオカワラヨモギなどの花が咲いています。
林道を歩くとあっけなく山頂の一角に到着します。神鍋山は小さな山ですが直径300m深さ60mの噴火口がきれいな形で残っており、お鉢は一面草本で覆われ緑が美しい季節です。このあたりには、アリノトウグサムラサキシキブが咲いていますがその中に、スズサイコの花が多く見られます。全国的には減少している種類で、絶滅危惧種に上げられていますが、火口の周りには多く見られます。また、頂上西の樹木の中に、石積の他では見かけない神鍋神社があります。

神鍋神社

神鍋山お鉢
 ここから東に向って樹林帯を少し行くと草原に出、眺めが良くなります。入った日はあまり天気が良くないのでパラグライダーは少なかったようですが、天気の良い日はここから飛出す人が多く見られます。下からリフトも動いており登りやすいのが魅力のようです。また、夏スキー(プラスチック散水上)愛好者も多く見られました。
 ここからは、下の畑がパッチワーク状に見られ、また、東面には神鍋ドームも大きく見えます。この草原には、ソバナササユリヤブレガサネジバナヘラオオバコマツヨイグサ等の、主に草原に生える植物が多く生育しています。
 ここから、火口に戻り、樹林帯を下ります。林中にはタマゴタケドクツルタケムラサキアブラシメジ等のキノコ類、ラン科のクモキリソウなどが見られました。

神鍋山頂より畑

神鍋山頂より神鍋ドーム
 山を下り、駐車場に行くまでに昼食をすまそうと、風穴庵にとろろ定食を食べに行きました。ここのとろろ定食は地元で採れたもので統一され、麦飯も麦がそのまま使用されているため多少赤っぽく変色して美味で、2人で行くとお櫃にご飯が入れられてきて量も多く、また栃餅まで付くためコストパフォーマンスに優れ、量質ともおすすめの一品です。特に味噌汁が美味でした。

風穴庵玄関

とろろ定食
 満腹で満足して駐車場に引返しましたが、途中に火山を示す露頭があります。火山礫・シルト質火山生成物等が層になり折り重なり、またその上に別の火山層が乗り、数回にわたって噴火が繰返されたことがよくわかります。
 車に帰り、予定通り但馬高原植物園に向いました。栽培種もある程度混栽されていますが、主は野生植物で、いつ来ても楽しく歩ける園内です。

地層看板

地層断面
地図

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