段が峰(ベニドウダン) 2007年05月27日


 
 ドウダンツツジと悪名高き風力発電用観測塔の様子を見るため、段が峰に入ってきました。この山に初めて登ったのは高校生の頃(約30数年前)で、その頃に比べるとゴルフ場ができ、林道も整備され、なぜかすごかった笹のブッシュも無くなり登りやすい山となっています。当時は生野駅から歩き、片道5km程度2m近い笹の藪こぎをして、大変な山でした。
 登山ルートとしては、ゴルフ場から縦走する、西段が峰から縦走する、千町峠から登る、途中杉谷から登る、倉谷をつめるものの6コースありますが、今回はドウダンツツジを見て、帰りは林道沿いに花を探すため、杉谷から登り千町峠に下ることにして、林道の途中に車を留めました。
 登山口には「クマ注意」の看板が2つもありますが、クマとはあの黒い百キロを越える動物のことでしょうか?。この山塊にクマが生息しているとは考えられず、何処か北の方から散歩にでも来たものが見かけられてのでしょうか、無視して登ります。
 このあたりちょうどフタリシズカが満開で、そのほか、タニギキョウホウチャクソウなどが咲いています。谷沿いを登り、最初の左側よりの沢の合流地点に分岐看板があり、今回はドウダンツツジを見るため尾根筋を登ります。この看板の沢登りコースの90分はちょっとかかりすぎで、実際は沢筋でも60分以内でフトウガ峰につきます。左にちょっとバックする形で植林の中をジグザグに登りますが、傾斜はそれほど無く、楽に尾根まで着けます。

林道沿い登山口

尾根道・谷道分岐
 尾根筋は笹がほとんど枯れ、登りやすい道です。低木はほとんどアセビの若木で、鹿の食害を受け他の低木・草本は「ほとんど喰われた」状態と思われます。このあたり、マムシグサ(ムロウマムシグサ型)チゴユリ程度しか草本の花はありませんが、ベニドウダンが多く、ほぼ満開状態にあたりよく咲いていました。沢筋との合流地点にやはり看板があり、下りですが登山口まで尾根25分沢35分となっています。この10分の差が妥当なところです。

尾根筋の植生

杉谷分岐看板(谷最上部看板)
 コースタイムより多少早く展望の良い笹原に出、達磨が峰からの縦走路に出会います。あまり花はありませんが、アセビの若葉の色がきれいで花のように見えます。左手には段が峰のなだらかな本峰が見えます。ここからちょっと下った処にもう一つのドウダンツツジであるサラサドウダンが咲いていましたが、まだ咲き始めか花は少ない状態でした。このあたり、アカシデサワシバなども実になりかかっていますが、新緑は今が盛りか美しい緑でした。

達磨が峰分岐


フトウが峰より段が峰(左端)

 途中に風力発電所観測塔があり、ちょっと寄ってみました。アンテナは経年劣化か多少塗装もはがれていますがまだ観測は継続しているようですが、いつ来てもあまり風は強くないところで、景観・自然保護(動物)の面では別として、はたして投資効果が得られるほど発電できるか疑問な様に見えます。まあ、観測結果分析ではっきりするでしょうが、少なくても立派な林道を尾根までつけると、ゴミも増え、花も堀り採られ、誰でも登れるようにはして欲しくないものです。最低限、車は上げない様にして欲しいものです。

悪名高い風力発電観測塔

風力発電観測塔上部
 頂上近くまで来ると昨日来の黄砂の影響で展望は多少劣りますが、西側に西段が峰、東側に平石山が近くに見えます。

段が峰より西段が峰(調査塔が2本見える)

段が峰より平石山
 フトウガ峰までの緩やかな尾根、東側には白岩山その後ろに写真では判りませんが笠形山・千が峰が見えました

段が峰よりフトウが峰

段が峰より白岩山
 三角点には時間が早いのか誰も居ず、頂上には1名しか休憩していませんでした。頂上からは南西に千町が峰がよく見えます。1名の先着者に「あの山は何というのか」と聞かれなしたので、千町が峰と教え、登路・所要時間についても説明したら「行ってみようかな」と出発されました。ゴルフ場の横から縦走してこられたそうで、帰りは林道を歩くとのこと。これに千町が峰を加えるとは、かなりの健脚とお見受けしましたが、あまりこのあたりの山は詳しくないようで、再度、悠友山荘で確認して下さいと伝え、分れました。ここから千町峠までの間には、カナクギノキコバノガマズミササノハスゲの花が見受けられました。

段が峰三角点

段が峰山頂より千町が峰
 千町峠に降り、悠友山荘の前を通ると10人近くの方がいて、カレーライスを勧められましたが、丁重にお断りして林道を下りました。ちょっと下った処に新しい林道が上に向って付けられ、すぐ行止りになりますが、風力発電用の作業道を付けているのかもしれません。右下の本道では、25t吊りのラフタークレーンが据付けられ、林道下側の整備工事を行っていました。日曜日でもあり作業員は居ませんでした。
 ここより林道沿いには樹木の花が多くなり、スノキカマツカコガクウツギオトコヨウゾメアオダモモリイバラヤブムラサキタニウツギが咲いていますが、エゴノキはつぼみがまだ堅く咲くまでには数週間を要すようです。

千町峠悠友山荘(登山口)

左は風力発電専用道路?
 本日散歩したルートは下の地図で、所要時間は約4時間でした。

地図

<一覧ページへ>